「ところでさ、おまえのお父さんとお母さん、一度別れたっていうのはびっくりだよな?」


「あ、そうそう。よく仲直り出来たよね? もし別れたままだったら、私や沙織はこの世に存在しないわけで、そう思ったら怖くなっちゃった」


「確かにそうだよな?」


「ねえ、私達は別れたりしないよね?」


 私は和也の気持ちを確かめたくて、彼の目を見ながらそう聞いてみた。


 すると和也も、真っ直ぐ私を見ながら、


「別れるもんか。俺達はずっと一緒さ」


 と言ってくれた。


「うれしい……」


 私は、和也を強く抱きしめ、彼の逞しい胸に顔を埋めた。

 ところが、


「でも、心配だなあ……」


 と和也は呟いた。