「私と母さんが知り合ったのも……」


 早速、父は昔話を始めようとしたけど、


「あなた、やめてよ。そんな昔話、誰も聞きたくないわよ」


 と母がとめてしまった。


「聞いてみたいなあ」


 と私が言うと、「あたしも聞きたい」と沙織が言い、「僕も聞いてみたいです」と和也も続き、父は満足げな顔で、


「じゃあ聞かせてあげよう。少し長くなるけどな」


 と言った。あまり長いのは困るんだけどね。

 母は「仕方ないわね……」と言い、なぜか憂鬱そうな顔をした。


 父の話は本当に長かった。嫌そうな顔をしていた母も、いつの間にか話に加わったので、なお更話は長くなった。


 二人の話を要約すると……