というような、くだらないと言うか、当たり障りがないと言うか、そんな話をしている内に夕飯になった。


 ダイニングへ移動すると、テーブルには置き切れない程の料理がたくさん並んでいた。


 うわあ。お母さん、ずいぶん気合入ってるなあ……


「中野君は好き嫌いがないんですって?」


「はい」


「偉いわ……。彩花も見習ったら?」


「はーい」


 前に、和也にお弁当を作ってあげようと思い、「好き嫌いを教えて?」って言ったら、「ない」と言われた。何でも食べられるんだって。びっくりしちゃった。


 私なんて好き嫌いがいっぱいあるのに。もちろん嫌いな方が。鶏肉でしょ。シイタケでしょ。マッシュルームにブロッコリーにモツに……って、数え上げたら切がないほど。