「うん、当然そうなるよね。マンガにあるもんね? 双子の兄弟で、確か“たっちゃん”の方が兄貴だったよね?」


「はい……、そうですね」


 急に和也の声が低くなった。お父さんが、くだらない話をするからだわ。


「実は、僕の兄の名前も達也なんです」


 へ?


「そうかあ。正に、たっちゃんとかっちゃんだね?」


「はい。僕も兄も、そう呼ばれるのはあまり好きじゃないのですが……」


「そうか、そうか。ところで、かっちゃん。車には気をつけた方がいいよ?」


 もう、その呼び方は好きじゃないって言ってるのに……

 それに、いきなり“車に気をつけろ”はないでしょ?

 和也が返事に困るじゃない……


「はあ。母からもよく言われます」


 そ、そうなの? なぜに?