それにしても、沙織にばれなくてよかった……。次からはやっぱりドアに鍵を掛けようっと。


「間もなく父も帰るそうなので、もう少し待ってくださいね?」


 そう言って、沙織は部屋を出るのかなと思っていたら、私の前に来て私の耳元に顔を寄せた。そして、


(お姉ちゃん、ブラがずれてるよ?)


 と、小声で囁いた。えっ?


(もう時間ないからね?)


 更にそう囁いてから、沙織は部屋を出て行った。


 私は頭がうまく働かず、呆然としていたのだけど、


「沙織ちゃんに、ばれちゃったみたいだな?」


 そう和也は言い、ポリポリと頭を掻いた。