キスほど気持ちいい事って、この世にないんじゃないかしら。そう思っていたら、


「もっと気持ち良くさせてあげるよ」


 そう和也が私の耳元で囁いた。息を吹き掛けるようにして。

 思わずゾクゾクっとしていたら、和也の手が、私のTシャツの下からするっと忍び込んで来た。


 半ば反射的にその手を押さえると、


「彩花、いいだろ?」


 熱っぽい目で見つめながら、和也は言った。

 いつもは“おまえ”なのに、こんな時だけ名前を呼ぶなんて、ずるい人。

 でも抗えなくて、手の力を弱めると、和也の手はするすると上へ上へ……


 脇腹を撫でられた瞬間、まるで感電したかのように、私の体はピクンと跳ね上がった。