ニッと笑ってみせれば、お肉屋さんの口元がピクピクと引き攣る。
そういえばヨシヤも最初はこんな反応してたな。


「か…可愛くないガキねッ!
アンタなんかすぐ薬屋に追い出されるわよ…!!」

「ザンネン、私はむしろそうなってほしいんだ。
はやくはやくっ、お肉ちょうだい。お肉屋さんでしょ。」


「………くッ…!!」



お肉屋さんはギュッと拳を握りしめて、プルプル震えた。

しかしやがて観念したのか、ショーケースのお肉を袋に包み始める。荒々しい手つきだけど、無駄な動きがなくて凄いと思った。



「…さ、サービスしといたから。薬屋には黙っといてよ!アタシがアンタに言ったこととか…っ!」


ズイッと袋を差し出される。

良かった。これで帰れる。

笑顔で受け取るついでに私はもうひとつだけ、こんなことをお肉屋さんに言ってみた。