「…………ん?」
ふと、違和感を覚えた。
お風呂屋さんの少し先。
周りのお店はどこも暗く閉まってるのに、あるひとつのお店だけは、ほのかなオレンジ色の明かりを点けていたのだ。
再度、地図を見る。
「お肉屋さんだ!」
なんで偶然だろう。
ヨシヤにお使いを頼まれたお肉屋さんだけが、この時間からお店を開いていたのだ。
私は嬉しくなって、オレンジの明かりまで走り寄っていった。
「すみませんっ!」
元気に声をかける。
すると、すぐにお店の人が顔を出した。
「!」
「…なによ、アンタは。」
商人を見て、私は驚いた。
だってその人……いや、その“子”は、私より少ししか歳の変わらなそうな女の子だったんだから。