「おいしい?」

母の問いかけに頷く。

母は微笑んで僕を見つめてくる。

そっと俯き、サラダを口にする。

良かった。今日も母に浮かんでいない。

あの赤い数字は。

これは僕の毎日の日課だった。

大事な人に別れ日が浮かんでいないか確認することで、僕はいつもの朝を迎え、一日を始める。

窓の外を見た。朝とは思えない暗さ。

今日は一日、雨は止まないだろう。