しかしこの状況はすぐに夢じゃないとわかった。


ガチャ───・・・・


「やっと目ェ覚ましたか」


まるであたしが起きるころを見計らったように入ってきたそいつはあたしに近づきながら言ってきた。


「手荒いマネして悪いな。けど恨むんだったらあんたを世話係にしたやつを恨めよ」


金に近い髪をしたそいつはニヤニヤしながらさらにあたしに近づいた。


あたしを世話係にしたやつ・・・・・・って優希のこと?


でもなんで優希・・・・・・


そこまで考えてあたしはやっと気付いた。


あぁ、この人たち優希に恨み持ってる人たちか。


それであたしを囮にして優希を呼び出してボコボコにしようってことか。


けど───・・・・


「ここに優希は来ませんよ」


あたしは金髪に向かってそう言った。