で、俊哉が教室に入って10分。
すんごーくうるさかった教室は俊哉の声で静まり返ったわけなんだけど。
「お待たせ。教室はいれ」
俊哉がやっとドアから顔を出した。
長いよ、話。
といいたいのを我慢して教室に足を踏み入れる。
「うわ、女子だ…」
「めちゃ美人だぞ」
そんな声に混ざって
「てめぇ…なんでこのクラスにいやがんだよ!!」
そんな声が響き渡った。
「はろー龍牙。さっきぶり」
龍牙幹部が立ち上がってた。
「ここがどんなクラスかわかってんのか!?」
も、うるさい。
俊哉はそんなあたしの思いを感じとったか
「お前ら、座れ。」
「黙ってろ麗亜」
「座れつってんのが聞こえねぇのか」
俊哉の殺気。
ふーん…現役時代とかわんないね。
さすがに龍牙も席についた。
「麗亜 櫻。よろしく」
あたしは笑う。
俊哉はため息をついて。
「お前らに誤解がないように言っとく。櫻は俺と観月の親戚だ。」
ありゃ、言っていいんだ。
「だけどな。ここのクラスに入ったのは必然なんだよ。財力、権力、強さ、勉学、そして容姿。こいつに欠けてるもんなんてねぇ。」
あたしは苦笑いで。
「俊哉、それはいいすぎかな。あたしには心かけてるしね。」
「それを埋めるためにあいつらの包囲網だろ」
そう笑った俊哉。
あんまり思い出したくないかも。
龍牙とでももめ事起こせば、大変めんどくさいことになるからね。
「俊哉、席どこ?」
「窓際一番後ろ。日光浴に最適」
「ありがと」
あたしはクラス中の好機の視線を浴びながら、席につく。
「あ。櫻、思い出した!」
ん?
「なーに、今更」
「羽柴と相戸がいるのは知ってるだろ?あとはご存じ紅蝶だ。まぁ挨拶いかなくても総出であっちからくるだろーからって観月が」
「りょーかい。」
俊哉がじゃーな。と教室を出る。
しばらく静寂。
んー…そろそろかな。
「お前、何者なんだよ…」
「そのセリフ昨日もきーた。悪いけど答えられないの、それ。あたしはあたしだけどあたしじゃないから。」
あたしがそう答えたところで
教室のドアが開く。