「ここ、向かい良いかな」


「どうぞ、」


俺が話しかけると、彼女はちらりとこちらを向いて、すぐ目線を読んでいた本に移した。


「…」


それにしても…


(空気が重いな)


いや、図書室だから静かなのは良い。
それが当たり前だ。


でも、彼女はオーラが周りをいてつかせるというか。


まるで、氷。

氷の様だ。


彼女の綺麗さに引き寄せられる様にして向かいに座ったのは良いが。


先程から本のページが1ページも進まないのは、気のせいだろうか。