「えー!そうだったんだ!……あ、そういえば昶は?」
朔姫と賑やかに話していると、話の流れからか自分を心配しているであろう昶の事が頭に過ぎった。
「彼ならジョエルさんや駿さんと遊んでる。何でもジョエルさんの秘密を暴くとか騒いでたわ」
「あ、……なら心配ないか」
「ええ」
話が途切れると、あかねは不意にのどに渇きを感じた。
「なんか、のど乾いたね」
「そうね。まだ1時だから、食堂に結祈がいると思うわ」
「じゃあ私が取りに行ってくるよ」
立ち上がって、ドアに駆け寄る。
「……?」
あかねはドアを開けたままその場に立ち止まる。
「どうかしたの?」
朔姫も察したのか、あかねに駆け寄る。
「なんか聞こえない?」
不思議そうに呟くあかねの言葉に、朔姫は耳を澄ませば、微かではあるが数人が話しているような気がした。
「何かあったのかしら?」
「行ってみよう」
「ええ」
二人で部屋を出て徐々に階段を降りて行くと、微かに聞こえていたの結祈や昶の声であり、話し声というよりかは騒いでいるようで、何かあったのかとあかねと朔姫は足を速めた。
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