ジョエルはそう言って立ち上がると、扉に向かって歩き出す。


「どこへ?」

「次の仕事だ」

「まだあったのかい?」

「会合だがな。簡単に言えば他チームとの親睦会というところだ」

「ああ……だから結祈にあんな事を言ったのか」


会合とは本来、各頂点に立つ者同士が行うがオルディネの場合は自動的にジョエルになる。
結祈は付き添いとして指名したのは、オルディネの品行を落とさない為であろうが解散寸前の危機に晒されている時点で、後ろ指を指される事は避けようにないだろう。


「私と結祈は食事をそちらで済ませる。お前は子供達と取ってくれても構わん」

「ではそうさせてもらうよ」


部屋を去ろうとするジョエルの背に、アーネストはにこやかに微笑みながら更に言葉を続ける。


「ギネヴィアと朔姫に囲まれて夕食なんて、とても楽しめそうだ」

「……ギネヴィアはともかく、朔姫を傷物にしてくれるな。あれも大事な人材だ」

「分かってるさ。あ、さっき言いそびれたけれど、結祈によろしく伝えておいて」

「気が向いたらな」



これも一つの繋がり。
物語はもう動き出している。


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