何でもいいから
このつまらない閉鎖的な毎日を変えて欲しい。
誰でもいいから
自分がここにいていいのだという理由を教えて欲しい。


そう思うようになったのは
いつからだろう?





始めはただの興味だった。
というより、偶然にも斜め前にいて、つまらなさそうにしていたから声を掛けた。
声を掛けた理由など無いと言えば無いが、あるとするなら同じ時間、空間で共通の感情を抱いていると直感したからかも知れない。

実際話してみるとますます興味が湧いた。
見た目とは裏腹に思っている事をはっきり言う性格で、自分が今まで知り合った女子の中でも極めて異色の存在だった。
それと同時に、コイツならオレを裏切ったりしないかもなどと淡い期待を抱き始めていた。



新しい生活が始まってから数日が過ぎ、迎えた休日。
男子寮の自室で、ベッドに仰向けになりながら、昶はあかねとの出会いをぼんやりと振り返っていた。
一番最初に知り合ったからか、同じ屋根の下で過ごす友人達よりも、心から話せる相手だと自負している。

異能者と言う共通点が、それを更に深くしているのかどうかは分からないが、なんとなくそんな気がしていた。
だが現在、彼女は自分以外の異能者とも関わりを持ち、ある渦中の中心にいる。
相談はされたが、弱気な事を一切吐かない彼女はやはり強いと思う。
だがそれ故に、自分を信頼していないのだろうかとふと思う。
出会ってからまだ間もない事は理解しているつもりだが、やはり気になってしまう。
彼女は自身の事をどう思っているのかと。

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