話に区切りがつくとタイミング良く結祈が戻ってきて、四人でちょっとしたお茶会をした。
それからすぐにあかねと結祈は自室に戻り、アーネストだけが部屋に残っていた。
「それにしても、今日は怒濤の一日だったね。最も君が撒いた火種だったけれど」
「これはまだ序盤だ」
結祈が持ってきたコーヒーを口にしながら、ジョエルは吐き捨てるように答えた。
「しかし驚いたよ。君の目的があかね嬢をリーデルにする事とはね」
「彼女は本来その立場にいるべき人物だ。然るべき対処をしたまでの事」
「本来ね……確かにあかね嬢はまだ若いけれど、自分を持った強い娘だ」
「強いどころか強烈だったがな」
ジョエルの率直な感想に、アーネストは軽く笑った。
「ははっ確かに。でも良い娘だよ。君もそういうところが気に入ったんじゃないのかい?」
「どうだろうな」
「それとも……彼女に彼を重ねていたりする?」
曖昧な答えを口にするジョエルに、アーネストは意味深な発言をする。
その発言に何を思ったのか、ジョエルは間を空けて再び口を開いた。
「……まさか。お前は重ねているのか?」
「いいや。確かに似てるとこはあるけれど、あかね嬢は彼ではないからね」
「当然だ」
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