部屋に招き入れれば、結祈は控えめながらも足を踏み入れる。
その様子を見てあかねは安堵したように微笑んだ。


「良かった。もしかしたら、もう来ないかと思った」

「どうしてですか?」


結祈は不思議そうに聞き返す。


「だって、今日初めて会った子がリーデルだなんて言われたら、なんというか……腑に落ちないでしょ?」

「それは……」


言い当てられ、気まずそうに目を伏せる結祈。
当然の事だ。リーデルとはそれだけ重みのあるものなのだから。
だからどんな事を言われても仕方がないと、あかねは覚悟を決めていた。


「確かに、リーデルの件は納得していません」

「……うん」

「ですがだからと言って、私は拒絶したりはしません」

「え?」


予想していなかった答えに、唖然として声を漏らすが、結祈は真剣な表情で言葉を続ける。


「貴女である事に、変わりはありませんから」

「結祈……」

「ですから、これからも変わらずに接して頂けると嬉しいです」


はにかむような結祈の笑顔に、嬉しくなってあかねも顔を綻ばせて頷いた。


「うん!これからもよろしくね!」

「はい!」


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