どう見ても真面目な顔の司。

今の司の言葉を否定するなんて許さないとでもいうようにまっすぐに向けられたその瞳は、ひたすら私だけを射る。

「えっと……コンパ、に行くな、と?」

しどろもどろに、口にする私に司は大きく頷いた。

「俺がいるんだから、これからはコンパには行くな。
コンパじゃなくても、他の男と一緒にいるって思うだけで腹がたつ」

「は、はあ……」

突然腹が立つって言われても、今までそんな事何も言わなかったのに。

それに、俺がいるっていうのは、そのままの意味なのかな。

私との距離を縮めたいっていう、そういう意味なのかな。

「もう、今まで通りじゃいられないって、言っただろ?
俺は、真珠に一番近い男でいたいから、これから遠慮はしない」

私に言ってるはずの言葉なのに、司の視線は何故か海に向けられていて、どう見ても睨んでいるとしか思えないその厳しい表情に、私は戸惑うばかりだ。