部活が終わり、グラウンドの横を通り校門を出ようと歩いていた。

“ドンッ”

痛っ!!足に激痛がはしる。

「何なの…!?」

立ち上がろうとすると更に足が痛くなり 転けてすりむいてしまった。
サッカーのボールが当たったみたいだった。

「ごめん 大丈夫?1年だろ」

あ・・・。音楽室から見た背の高い人だ。

「は、はい でも大丈夫です・・・もう立てますし」

転んだのに、立とうとしたあたしがバカだった・・・。

「あっ!」
また、足もとに激痛がきてふらついた。

「だいじょーぶじゃ、ねーじゃん 保健室行けよ」

なんで、こいつこんな上から目線なのっ。

「いえ、あたしすぐ電車なんで!帰ります」
強がった途端、ふと思い出した。あたしは、駅から家までチャリだろー!

「は?どーせ、駅から家まではチャリとかだろ?俺の包帯でよければ
固定すっけど」

クー。悔しい。なんでわかんのよ!

「すみません、借ります」
クソっと思いながら私は包帯をまいた。

「ありがとうございましたっ!では、失礼します・・・!!」

強く言って、包帯を返しほんの少し痛みが残る足を引きずりながら駅へ急いだ。

駅に着くとすぐ電車が来て、包帯に巻かれた足を見せつけるかのように
優先席に座り、駅へ着いた。

「おかーさん、足痛めちゃって・・・そう、だからとりあえず迎えに来て」

家に電話をして、お母さんに迎えに来てもらった。

青色のファミリーカーが、駅に着いた。
「ただいま」
「お帰り」

後ろのスライドドアを開けると、運転席にお母さんと3列目の座席に奈緒
がいた。