「あっ、もう いやだ~!また気付かないうちに長くここにいちゃった
ごめんね、今日塾あるから帰るね そうだ、またメールして!バイバイ」

ハッと腕時計をみて、立ち上がり手をふって階段を駆け上って
帰って行った。

「どうしたんだろ、まりや先輩がこんな都会の川の河川敷で心落ち着かせる?
意外だなー」

この時何も知らなかった私は、独り言をつぶやいてロンと家に帰った。

「ただいまー」
「おかえり」

家に帰ると、お母さんと奈緒が帰っていた。

「あれ?奈緒、塾8時半までじゃなかったっけ?」
私がきくと、奈緒は残念そうに答えた。

「また、倒れちゃったあ きつくないのに、お母さんも神堂先生もだめって
明日も休むってさぁ 最悪・・・」

奈緒は、生まれつき体が弱くて確か・・・血管とどこかの臓器に異常があった。

3歳の時、おおがかりな手術をして治ったんだけどインフルエンザにかかったら
治りが遅いし、すぐ貧血で倒れたりあり得ない程高い熱が出たりする。

「そっかー、でも皆奈緒の事心配して言ってるんだしね ロンの水かえてあげて」

奈緒の肩をポンと叩いて、二階の自分の部屋へあがっていった。