ガチャッ
部屋を開けるとそこにはあいつがいた。
「よっ、久しぶりやな」
「は?なんでいんの?」
「ええやないか。久しぶりやし」
「うちの、お母さんは?」
「仕事で明日まで帰らんて」
またかぁ…
うちには、お父さんがいない。
二年前に離婚…したんだ。
「なぁなぁ、俺と良いことせえへん?」
「は?冗談よしてよ。良いことってどうせあれでしょ?」
「そう。あれ。」
彼は、ニコッと笑って
私のところへ来た。
そして、壁に手をついた。
「なぁ、髪さわってもええ?」
耳元で喋られ身体が
ビクッと反応してしまう。
「バカじゃないの!!あれするのになんで髪さわるのよ。」
「あれっていったらあれやろ?エで始まってチで終わるやつ。」
「へ?なにそれ?
あたしが言いたかったのは買い物だよ。昔、よく一緒に行ったじゃん。」