女王の返り血を僕は浴びた。

「魔がさした訳じゃないくせに……。愛してくれてなんかいないくせに……」

僕は呟くようにそれを繰り返す。

裸の男はさっきの僕みたいに座り込んで動けない。

僕はゆっくりと歩き出し君の顔を両手で優しく拾いあげる。

「……これで僕の愛しい君だ。天使のように可愛い笑顔で僕を裏切らない」

きっと僕は女王殺しの……君を殺した罪で捕まるだろう。

でもそれでも構わなかった。

だって僕の敬う二人を殺して僕を裏切り続けていた人、

そして僕の愛した人を僕は自身の手で殺したのだから。

例え君が裏切ったとしても、君のいない世界等僕は必要としないから……。

腰が抜けて動けない男を僕は睨む。

男は許して下さいと泣きながら許しを乞う。

「……二度と僕の前に顔を見せるな。次貴様が僕の顔を見た瞬間に貴様の首はその肉体と離れている」

男は四つん這いで必死に逃げて行った。

少しして家臣達が部屋にやってきた。

「僕が女王を、殺したんだ……。さぁ、僕を罰してくれよ……?」

家臣達は驚き、話し合った。