僕は父上と母上が亡くなった時以上に哀しい顔で

女王に微笑む。

「あのね、僕全てみていたんだ。……君があの男にもっと、と喘ぐところも……全て」

女王は少し固まって僕の足を強く抱きしめ乞う。

「ごめんなさいッ! ごめんなさい……。魔がさしたの……。でも、信じて。愛しているのは本当に貴方だけなの……」

醜い姿で泣きじゃくる女王。

僕はしゃがみ女王に手を差し延べ笑う。

「……許して、くれるの?」

女王は僕の手を取り立ち上がる。

女王は僕の好きだった笑顔(カオ)で

「ありがとう」

と言おうとしたのだろう。


でもその言葉を女王が言い終わらぬうちに女王の首が宙を舞った。