僕は腰にある剣を手に握る。

……カタ

立ち上がる時にした物音に二人がこちらを見る。

「誰かいるのッ!? 姿をお出し」

美しい天使のような
醜い悪魔の女王(キミ)が言う。

剣を持ったまま僕は扉を開ける。

「あ、貴方!」

女王(キミ)は僕に驚きすぐに表情を変え僕に言う。

シーツをまとい、助けを求めるように泣きそうな顔で擦り寄って。

「あ……あの男が、いきなり私の部屋にきて私を……ッ」

その言葉を聞き男は王女に言う。

「お、王女……酷いぜ。俺を見捨てるのか」

「王、あんな男の戯言に耳を傾けないで。私を信じて下さい」

泣きながら言う全てが嘘だなんて。

僕はその手に持った剣を強く握りしめる。