彼女に、幽霊の彼女に、触れる。


「……あたし達の気持ちが繋がって、きっと触れるんだと思う」

「優花……」

彼女はゆっくりと俺から手を離した。


「春樹、頑張ってね。春樹なら沢山友達作れるよ」

「有難う……。俺、優花のこと忘れない! 忘れない為にも、優花の為の花も植える!」

「うん……。約束だよ?」

俺は頷き、彼女の前に小指を差し出した。


「約束する。指切りげんまんだ」

そう言うと、彼女も小指を出してきた。


「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った!」」

指切りをやり終わった後、彼女はゆっくりと消えかかり始めた。


「春樹、最後にどうしても言っておきたいことがあるの」

「言っておきたいこと?」

彼女はこくっと頷いた。