生きている彼女と会っていたということにも、嫉妬した。


「原木君のこと好きなのか?」

すると彼女は顔を近づけてきた。


「死んでなかったら、好きになってたかもね」

それを聞いて、少し妬ける。


「あたし、春樹が好きだよ」

彼女は満面の笑みで言ってきた。

その笑顔にときめいた俺は、後ろへ一歩下がった。


「春樹は? あたしのこと、恋愛対象として好き?」

彼女は首を傾げて聞いてきた。

その姿にまた胸が鳴る。

彼女は可愛い。

好きだ。

恋愛対象として、好きだ。

けど、認めたくない。

だって、今更彼女を好きになったってどうしようもないのだから。


「好きじゃねえよ」

「……そっか」

彼女の顔が少し曇り、俺の側から顔を離した。