「ちょっと根本君、話聞いてる?」

「あ、はい!」

生徒会長に話しかけられ、俺はようやく我に返った。


「放課後また会いましょう」

生徒会長はスタスタと校舎裏を去っていった。

俺も数分後に自分の教室へ行った。


「原木君おはよう」

「おう」

原木君は無表情で俺と挨拶を交わした。


「何かあったのか?」

「いや……。根本、ちょっと廊下出て」

俺はそう言われ、原木君と廊下へ出た。

まだ8時を回ったばかりの校舎内に人は少なく、廊下は静かで、俺達の足音が響いた。

原木君が窓を開けると、外の空気がスッと入ってきた。


「俺さ、お前に話しかける前からずっとお前に聞きたいことがあったんだ」

「え?」

原木君は校舎裏を指した。