「根本君、放課後、その花束を持って玄関まで来てもらえるかしら?」
「え……?」
「枯らさないでね。枯れたら優花が泣くわ」
「は……? 優花はここに――」
“優花はここにいる”って言おうとしたが、彼女の姿はもうなかった。
その代わりに、彼女からの伝言の紙が落ちていた。
『明日7時ぴったりに校舎裏に来て。話があるの。優花より』そう書いてあった。
訳が分からない。
いつの間に彼女は消えた?
さっきまで俺の近くにいたのに。
生徒会長が来たから隠れたのか?
そんなに生徒会長に会いたくないのか?
俺のこと、どういう意味で好きなんだ?
どうして……?
彼女に聞きたいことが沢山ある。
明日、必ず彼女に会いに行こう。
俺は強く決心した。