彼女は首を横に振り、残念そうな笑顔で言った。
「悪いけど、受け取れないの」
「何で……」
「ごめんね」
彼女はひたすら笑顔だった。
彼女には本当に笑顔が似合う。
けど、今は笑顔なんて嬉しくない。
「何だよ……、せっかく優花の為に用意したのに! お前なんかもう知らねえよ!」
俺は花束を地面に投げつけた。
それを見た彼女の目から、涙が溢れ出してきた。
「春樹……、あたし、春樹のこと大好きだよ。一緒にいて楽しかった。ばいばい」
彼女は笑顔を作ろうとするが、涙の方が勝ち、涙がどんどん流れ出る。
何かが違う。
いつもの彼女じゃない。
何で「ばいばい」なんだ?
「優花……」
「根本君」
そこに現れたのは、生徒会長だ。
しかし、いつもの生徒会長とは何処か違い、笑顔が全くなかった。