そう言うと、彼女は更に俯いた。


「嫌われてるんじゃない。ただ、みんな辛くなるからあたしの話をしないだけだよ」

「……言ってる意味が分からねえんだけど……」

彼女の言っていることが、全く分からなかった。

どういうことなんだ?

すると急に突風が吹き、彼女に渡す花束が少し散った。


「その花……」

「あ、えっとこれは……! 生徒会長さんに、優花の誕生日が今日だって聞いて……! そんで、優花の大好きな花をあげようと思ったんだ!」

彼女はそれを聞いて目を輝かせた。


「それをあたしに!? 嬉しい!」

彼女は満面の笑みを見せた。


「や、やるよ」

俺は彼女に花束を差し出した。

しかし、彼女はそれを受け取ろうとはしなかった。


「どうした? 優花にだぞ?」