夏休みまで後2日――。
俺は言われた通り7時に校舎裏へ来た。
しかし彼女の姿はなく、やると言っていた水やりをして、彼女が来るのを待った。
「春樹」
たった1日彼女に会わなかっただけなのに、彼女の声を聞くのが久しぶりに感じた。
「おはよう」
綺麗な笑顔で、彼女は挨拶してくる。
その瞬間、何故か涙が流れた。
「優花……、何処行ってたんだよ。行方不明って聞いて心配したんだぞ!」
すると彼女から一瞬笑顔が消えるが、また笑顔に戻る。
「心配かけてごめんね春樹。でももう大丈夫だよ」
「笑うなよ! お前、4組に嫌われてるんじゃないのか!? 優花の話題をすると否定されたんだ!」
彼女はようやく笑うのを止め、少し俯いた。
「4組に行ったの……?」
「行ったよ。朝、ここで優花と会わなかったから気になったんだ」