彼女の名前が出てきて、俺の足は止まった。
「何でそんなこと、原木君に分かるんだよ」
「お前、優花のこと何も知らないのか? 友達なんだろ?」
どうしてみんな、彼女こと何も知らないの?って聞くんだ?
彼女の身に何があったんだ?
どうしてみんな、俺に教えてくれないんだよ。
「優花に何があったんだよ」
いつの間にか俺は、原木君の胸ぐらを掴んでいた。
「ゆ、優花は……」
「原木君」
原木君を呼んだのは生徒会長だった。
「余計なこと言わないでもらえるかしら? それから、根本君借りるわね」
「は? ちょっ、俺は原木君に聞いてんだよ!」
生徒会長は俺を無理矢理引っ張る。
「何なんですか!」
生徒会長は俺を校舎裏へ連れてきた。