「根本! お前授業サボって何処行ってたんだよ! 先生と勉強なんて嘘だろ!」

俺は5時間目の授業をサボり、校舎裏で彼女が来ないかずっと待っていた。

しかし彼女が現れる気配はなく、俺は仕方なく教室に戻ってきた。


「どうしたんだよ、ぼーっとしてるぞ?」

原木君が話しかけてくるが、それは右から左へと流れていった。


その後の6時間目の授業中も、先生の話なんて聞かず、ずっと彼女のことを考えていた。


放課後――。


「根本!」

俺を呼び止めたのは原木君だった。


「今日一緒に帰らないか? 何かあったんなら、俺が話聞くよ」

「ごめん、俺、校舎裏行くから」

俺は原木君に頭を下げ、校舎裏へと足を運ぶ。


「待てよ。校舎裏に行って何をするんだよ。優花は来ないぞ?」