夏休みまで後3日――。


校舎裏へ行ったが、彼女はまだ来ていなかった。

俺は水やりをしながら鼻歌を歌う。

蝉も合唱をするかのように、あちこちで鳴いていた。


「そういや、この間の蝉はもう1週間経ったのかな? この蝉はいつから生きてるんだろう」

俺は近くの木に止まっている蝉を見つめた。


水やりが終わり、彼女が来るまで俺は勉強した。


キーンコーンカーンコーン……。


「やっべ! 予鈴!」

俺は教科書を鞄に詰め込み、教室へ急いだ。

彼女は今日こそ休みだろうか。

俺は昼休み、彼女を探しに行くことにした。


「おはよう根本、寝坊か?」

「ちげえよ。ちょっと用事があって」

俺は彼女のことばかり考えていた。