「それじゃあ私は行くわ」
「は、はい」
生徒会長は俺に小さく手を振り、友達のところへ戻っていった。
「生徒会長、あの怖い人と話してたぞ」
「怖くないんじゃない? 笑ってたし」
「しかも意外とかっこよくない?」
生徒会長のおかげで、また俺の話題が聞こえてきた。
でも、みんな俺への印象が変わっている。
俺、怖い人卒業か!?
彼女はこの場面を見てるだろうか。
「優花、俺、もう人見知り無くなったよ」
俺は誰にも聞こえないよう、小さく呟いた。
「根本、何食べる?」
「うーん……」
弁当ばかりだった俺は迷い、結局原木君のお勧めを食べることにした。
みんな、俺をちらちらと見ていたが、けして避ける者はいなかった。