「なれるよ」

「へっ!?」

こいつ、俺の心が読めるのか!?


「生まれ変わりたいんでしょ? 顔にそう書いてある。あたしが人見知りを直してあげる。笑顔のたえない、良い男にしてあげる」

「ほ、本当か?」

「うん! 春樹は元々かっこいいし、怖い顔さえしなけりゃモテちゃうよ」

「っしゃ! そう言われるとやる気出てきた!」

俺は両手でガッツポーズした。


「あれ? 俺の名前知ってたのか?」

「うん、怖いって有名だから」

「まじか……」

俺の笑顔がひきつった。


「ふふっ」

「どうした」

急に笑う彼女に、俺は少しびくりとした。


「あたしとは普通に話せてる」

「……そうだな……」

本当だ。

普通に話してる。

しかも相手は女子だ。

まさか俺に、女子と普通に話せる日が来るなんて……。


「なんかあんた、他の女子と雰囲気違うんだよな。温かさがあるっつーか、和ませる雰囲気がある感じ? 俺と同じ性格だったからってのもあるかもだけど……って……、あれ?」

さっきまで目の前にいた彼女は、俺が目をつむって語っている最中にいなくなっていた。