「そういえば、生徒会長と普通に話せてたね」

「いや、俺すっげえ顔強ばってたと思う」

「えー、見たかったなあ」

彼女はアハハと笑った。

本当は笑うなって言いたかったが、彼女の笑顔を見ると怒る気がしなくなる。

彼女の笑顔は、きっと誰が見ても癒されるだろう。

心が落ち着く。


「それじゃあ春樹、今日のミッションを教えます」

「おう」

命令口調の時、彼女は威張っている。

彼女は威張ってないと言うが、威張っているに違いない。


「会った人全員に挨拶すること! 以上!」

「挨拶う!? 無理だって。俺、挨拶する時怖くなるもん」

「良いの! 逆に怖いと挨拶返してくれるから。それに、まずは挨拶することに慣れなきゃ」

「う……」

俺に出来るだろうか。