ギラギラと太陽が照る7月――
俺は自分の新たな居場所を探しに校舎裏へやってきた。
「お花もっと摘む?」
「ううん、これでいいでしょ。あんまり摘むと、怒られちゃう」
「確かに」
にこにこと微笑む女子の顔が今、俺の目の前にある。
「あのさ、ここ、今日から俺の場所」
俺に気がついた女子2人は、悲鳴をあげて去っていた。
「またやってしまった……」
俺、根本春樹(ねもとはるき)は、人見知りのせいで人と話す時に睨むクセがある。
そのせいで人々からは怖がられ、高校に入学して4ヶ月経とうとしてるのに、まだ友達がいない。
誰も、俺に話しかけてくれない。
「はあ、俺って空気のような存在なのかな……」
俺は木陰のある地面へ寝転がり、空を見た。
つもりだった。