「唯、帰ろ」

こそこそと秋が耳打ちする。

「こんなやつらに付き合ってられへん」

私の腕を引っ張って座敷をおりようとする秋の背中に、おしぼりと「お幸せに」という言葉が飛んできた。

振り向けば、みんながこちらを向いてにやにや笑っている。

「烏丸さん、唯さんとはどういうご関係で?」

誰かがレポーターを真似て発した言葉をキッカケに、怒涛の質問攻撃が始まった。