「あのさぁ…俺が言うてる意味わかってる?」

ハンドルに腕を預け、確認するように私の顔を覗き込む。

意味?

「わかってるよ。また、ここに来ようってことでしょ」

それが何?
と首を傾げる私に、秋は深い深い溜息をついて、拗ねたようにハンドルをもてあそぶ。


「わかってへんやん。ジブン、作家さんやろ?
なんつーか、こう…小説でいうと行間を読むっちゅうのか、漫才でいうと間を読むっちゅうのか……わかれや。つか、悟れ」