「私は…」

思い切って振り向くと、秋はこちらを向いて目を開けていた。

闇の中にある闇のような瞳。
そこに私が映っている。

「私は、いなくなんかならない」

そう。
私はいなくなんかならない。

だって秋のことが好きだから。

例え秋が私を好きになってくれなくても、私は秋の前から姿を消したりしない。