半分眠りながら、途切れ途切れに紡がれた言葉に、今さら心臓がことこと鳴りだす。


なんにも音がない、完全な静寂と闇の中。

秋の声は何に妨害されることなく、空気を震わせ振動し、私の耳へとやってくる。

秋にとって空気はまるで弦だ。

「じゃあ、秋が眠るまでここにいるね」

そう言うと、闇夜のバイオリン弾きは、更に弦をしならせてびっくりするようなメロディを奏でた。