それは酔っているからなのか、それとも神経が尖っているせいなのか。

どちらかはわからないけれど、ここ最近よく眠れていなかったことだけは確かなんだろう。


目の下に、うっすらとクマが出来ている。

部屋の電気はつけないままに、床に直接座り込み、ベッドに背を預ける。

秋の寝息を聞きながら、このまま時が止まってしまえばいいと思った。


「…ゆ、い」

不意に背後から名前を呼ばれてビクッとする。