秋は部屋に着くなり、ベッドに倒れ込みスイッチが切れてしまったかのように眠ってしまった。

窓際に置かれたベッドの上、布団もかけずに、胎児のように膝をまるめている。

窓から射し込む月の明かりが秋の黒髪を照らし、初めて見る寝顔は子供のようにあどけない。

起こさないように、そっと布団をかけると、秋の目蓋がわずかにピクリと動いた。


タクシーの中でも思ったけど、秋は眠りが浅い。