ガサゴソと荷物を探る。
「あったー!」
目当ての物を見つけてうふふと満足げに笑って、不審な目でこちらを見ている魔王さんに見せる。
「はいっ!お土産!」
ラッピングして貰ったあのブレスレット。
魔王さんに喜んで貰いたくて。
ポンと掌に置く。
魔王さんは興味深く私とそれを交互に見て、微笑む。
「ありがとな。」
袋から器用に出して笑みを浮かべながらブレスレットをはめて。
なんか、それを見ていると、こっぱずかしいのです!
「気に入った。」
優しい微笑みを私に向けて。
ドキリと胸を打つ。
「喜んで貰えるとうれしーですっ!」
恥ずかしい、けど嬉しくて。私も笑う。
何となく、この時間が心地良くてもっと、と願っていることに気づく。
先程までの殺伐とした状況と180度違って。
温かな時間が流れる。
「………ふぁ、」
温か過ぎて眠くなってきましたー………
うん、なんかいきなり睡魔が襲ってきたみたい………
「疲れたろ。もう寝ろ。」
トロンと瞼が落ちて、また意識が微睡む。
自分で立ってられなくて魔王さんの腕に倒れ込む。
優しく温かい腕の中やっぱり、眠りについてしまうのでした。