途端に私を離して、痛みに悶える。
そんな男を足蹴にして意識を奪う。
ふぅ、と一息ついたトコロにパチパチ―――。
感情のない拍手が贈られる。
「――見事だな、部下に欲しいくらいだ。」
「誰がなるか、糞野郎。いっぺん死ね。」
「口が悪くなってるぞ。」
悪態を隠しもせずに言い放つ私に呆れたような声が返される。
「で、あんたはなんでこない。」
「俺?俺はなー………おっと、こうしちゃいられねぇ。
嬢ちゃん、“またな”。」
「は、?……あっ、待ちやがれっ!!」
ひょい、と高めに作られた窓まで軽く登っていく。
窓に手をかけて………振り返った。
「嬢ちゃん、次また会うときは―――。」
ドクン、と胸が高鳴る。
嬉しい高鳴りじゃなくて、
「――殺しあいをしよーや。」
痛みを伴う、気持ち悪い高鳴り。
不適に笑うソイツは私にもう一度視線を投げて、窓から飛び降りた。
「…………」
ボーッと、窓を見ていたら
ガンッと大きな音が聞こえて………