魔王さんの登場でシィンとなった大広間に活気が溢れる。


優雅な音にあわせてきらびやかなドレスが舞う。
うっわーーーー!!やば、これ上からみたらきれー!!!!


興奮して魔王さんを見ると柔らかい笑みで私を見ていたので気恥ずかしくなって魔王さんの裾を引っ張っていた手を離した。


すると、いかにも。なジジィ__改めおじ様が狸のような笑みを顔面に張り付けてコチラにやってくる。後ろには胸元が広く開いた際どいドレスをお召しになって、化粧と香水のキッツーイ匂いが漂って、正直。はきそうですっ!


って、何歳だあれは。


「国王陛下につきましては、我が国の発展に置かれまして黎明なるようなご活躍にと存じます……」

恭しく頭を下げたと思えば私を見て、


「……陛下、コチラにいらっしゃるお嬢様はいったい………。」


わかっていたよ、わかっていたけどね。皆して聞き耳たてなくても順番にこればいーじゃんかー!!

「あぁ、そうだな。ディーゼル伯爵よ。なつか、コチラはディーゼル・ヒィルク・サフリナ伯爵だ。」


うっわーーーー、長ったらしい名前ですこと。私が、覚えておける訳ないじゃないですかー!!