バンッと音がなりそうなくらい勢い良く私の部屋の扉を開け放ったニナ。
ビクリ、と体を跳ねさせる私ににっこり、と笑ったニナにまたビクリ、と体を跳ねさせる。
ニナさん、さっきまでの可愛らしい悶え死にそうなあれ、はなんだったのですかっ!
―――と突っ込みたいのですが怖いので遠慮します。
「―――まぁ、なつか様もお疲れのようですし。一先ずはお茶にしましょう。」
ふんわり、とうう揶揄が合うような正に花が咲き誇るような、感じの柔らかで優しい笑みで私を見てから、椅子に座らせ、お茶の用意をするために簡易キッチンに手を伸ばしたニナ。
そんな、目の届くところにいられちゃ………逃げられないではないですかぁっ!!
逃げようと思ってたのか………
と、頭の片隅でなにかが、響いた。ん、空耳?まぁ、いいや。
―――逃げるに決まってるわっ!
だって、と反論しそうになって。はた、と思い立つ。
―――くろい、いし。
首元にある黒く、透明感のある石が温かくなってきていると。
じんわり、と温かさが増してきてえ、と思う。
確か貰ったときはヒンヤリ、とした冷たさを感じたのに―――。