「そうか。…俺はお前を生徒にしか見てない」


わかりきってたことなのに、いつの間にか頬に涙が流れていた。


「そっか。ありがとう。先生、今までお世話になりました。」


最後くらいまともな挨拶したかったのに、嗚咽でうまく言えなかった。


「ごめんな。」


謝らないでよ。余計、虚しくなる。


先生は、私が泣き止むまで頭を撫でてくれた。


先生は優しいから。


「先生、私ね。やりたいことみつかったんだ。先生、ありがとう。」


そう言って、私は準備室を出た。


長くいると忘れられなくなるから。


先生、ありがとう。


あの時、先生が勧めてくれなかったら、やりたいことなんてみつからなかったから。


先生に出会えて、よかった。


辛い思いをしたけど、たくさん楽しい思い出が出来たから。


ありがとう、先生。