あの頃と変わらない。

不器用な先生。

こんなこといわれたら、認めなきゃいけないじゃん。

先生方の挨拶が終わったら、みんなで拍手。

先生がこっち向いて口パクで

あ と で準 備 室 に 来 い って言っているのがわかった。

私は、退任式が終わってからソッコーで準備室に向かった。

「おぅ。お前か!」

ハァ ハァ…走って息切れでうまくしゃべれない。

「びっくりしただろ?」

「先生!頑張ってね。私、応援する。」

「へっ?あんなに反対してたのに…」

「あんなこと言われて反対できるわけ無いでしょ。」

きっと、先生なら良い先生になって帰ってきてくれる気がするから。

「ねぇ、先生?あたしね、先生に告白したこと後悔してないんだ。」

「へっ?」

「振られちゃったのに変だよね?でも、本当先生には感謝してるよ。私ね、教師になる、先生みたいな立派な先生に…先生なんて追い越しちゃうから。」

私の精一杯のつよがり。

多分、先生はわかってる。

でも、あえて何も言ってこない。

それが先生の優しさだから…。

ありがとう、先生!